Masashi Naka (BIG LOVE)
どんな時でもビールは綺麗なグラスに注いで飲むのですが、新幹線だけは別。
缶ビールからそのまま飲んで、ゴクゴクくわーと喉に詰まる感じがたまりません。
なぜだろう。
という今、新幹線の中。
プレミアム・モルツの350か500か迷ってもちろん500を飲みながら、買った熟成チーズと謳ったつまみがいまいちでひとり怒る。
がんばってほしい。
「おおっ、これうまい」
電車の中だとこんな感じで簡単にアガるのに、そのレヴェルにさえ達してないとは。
普通のスモークチーズにしておけばよかった。
となりの人がそれを食べてる。
正座して。
お婆さんではない推定48歳のおじさん。
そして目の前にポケベルを置いてる。
ポケベルって今あるのか?
ここにあるからあるんだろう。
動いているかはわからない。
正座にポケベル。
正直なにか起きる気がしてならない。
リュックはブラウンの迷彩。
敢えてのブラウン感がハンパない。
こいつはヤル奴だと思う。
今、肘掛けを親指と人差指で挟んだ。
しかもとなりの席のを。
ABC DE。
彼がAで僕がE。
いま彼はCの肘掛けを触ったというわけ。
わざわざ体を伸ばしてまでしたその行為。
一体彼はそこになにを見つけたのだろう。
いや確認したのか?
その場面を見た俺を彼は認識しただろうか。
身に危険を感じはじめた自分は正常だと思う。
なにかを取り出した。
キーボードがついている。
あれは携帯?
わからない。
パステルグリーン色の携帯を俺は見たことがないから。
正座とポケベルとパステルグリーン。
いよいよかもしれない。
Keel Her - Riot Grrrl
このキラーを彼に贈ろう。
仲真史